先日たずねた星野道夫展
スクールの生徒さんが、
前知識としてと本を貸してくださったので、「森と氷河と鯨」を読んで
観に行きました。
どう表現していいのかわかずに茫としていたことが
星野道夫さんの写真とことばによって解放されたように感じました。
「広がりに打ちのめされ、自分の一生の短さを知り
なぜかわけのわからぬ元気がわいてくる」
「人間の顔というものは その人が生きた歴史を
どうしようもなく語ってしまうのかもしれない。
くしゃくしゃの顔から見つめる目は柔和で確かだった。
それは ある時代を生き抜いてしか得られない表情のように思えた。」
紡ぎだす言葉が美しい。あたたかい。
天窓から降り注ぐ日差しの中で
展示「星野道夫ゆかりの本」から一冊をとり
読んでみました。
ジャックロンドンの「焚き火」。
雪原のなか
迫りくる死に抗い 最後まで生き抜こうとする主人公。
サラッと読んでみようと手に取ったのが
徐々に自分に起きていることのように思えて
読み終えた後、
ぽかぽかと日が差すホールが
現実とはかけ離れたように感じました。
日々の暮らしの中でかかわる身近な自然。
もうひとつは訪れることのない遠い自然。
ただ、そこに在るという意識を持てるだけで
私たちに想像力という豊かさを与えてくれる。
そんな遠い自然の大切さがきっとあるように思う。